2020/11/25

強風対策が重要な仮設足場の設置

強風で足場が倒壊したというニュースがよくありますが、かなり頻繁に起こっているので注意が必要です。目隠しや防音のシートが張られている足場は風の流れを止めて煽られてしまうので特に危険です。

強風時には一部のシートを外すなどの対策が必須ですが、予測不可能な事態で対応が遅れることも多くなっています。

足場などの仮設工事管轄は労働基準監督署になります。足場の基準は建築基準法ではなく、厚生労働省労働安全衛生規則で規定されています。一定の高さや期間を超えた場合、足場の設置届を所轄の労働基準監督署に提出します。

足場の設計は専門の技術者が行いますが、仮設であることから、敷地条件から無理な計画を強いられることも多くあります。建物本体との緊結固定にも限界があり、無理な計画が倒壊の原因となってしまうこともあります。 

  
  
  
  

2020/11/08

建築途中での倒産対策

建築途中で施工会社が倒産状態になり、工事を引き継ぐ会社がない場合、建て主は請負契約を解除して、建築途中の建物の引渡しを受けなければなりません。

契約解除にあたり、その時点までにかかった工事費を支払って清算する必要があります。その後工事を引き継ぐ施工会社を選定して完成までの工事を依頼することになります。

破産宣告がなされた場合は、破産管財人が法律に基づいて公平な処理を行うことになります。早急に破産管財人に連絡を取り、今後の対応について協議する必要があります。施工会社に義務付けられた10年保証は、完成引き渡し後のものなので、工事中の物件は対象外となります。

工事中の倒産対策として、支払いを出来高払い分割支払いとする方法、任意の保険制度となる住宅完成保証制度を利用する方法などがあります。この制度は、他の業者で工事を継続する追加費用などが保証される制度です。

その他の方法として、工事請負契約で施工会社に工事完成保証人を定めることを要求する方法があります。 

  
  

2020/04/24

長屋に対する規制強化

二世帯住宅の一世帯分を賃貸にできないか、というご希望から計画がはじまりました。用途的には一戸建て住宅から長屋になります。用途変更の建築確認申請は必要ありませんが、長屋として現行法規に合った内容になっていなければなりません。

長屋は各住戸が独立しているので、建築基準法上、用途は長屋で共同住宅ではありません長屋に対する規制はあまりなかったのですが、東京都建築安全条例は、居住者の避難など安全性を考慮した改正が行われました。

各住戸の主要な出入り口を除く開口部から、道路に避難上有効に通ずる幅員50㎝以上の敷地内通路の設置が義務付けされています。この範囲は軒や庇、空調機など設けることはできません。敷地内通路の設置が難しいと用途変更は簡単にはできないことになります。

また、耐震基準改定前の建物の場合は現行の耐震基準相当への耐震補強が必要となります。改修には建築確認申請の検査済証が必須となります。耐震基準改定後の建物であったとしても、検査済証がないと計画の実現は非常に難しくなります。
  
  


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