2019/05/27

都市部の雨水排水能力を超える豪雨被害


都市部での雨水の排水能力や建物の雨水排水計画は、1時間の雨量50ミリ前後が想定されています。これ以上の雨量の場合、短時間であっても処理しきれなければ洪水や浸水となってしまいます。

短時間豪雨の発生回数は今後さらに多くなる傾向にあります。都市部の被害は、川の近くとは限らないのが特徴で、土砂災害の他、地下室への浸水、下水道の逆流が原因となる被害、ベランダから室内への浸水などの被害があります。

半地下や地下部が浸水すると外開きのドアは水圧で開かなくなるので、避難できなくなる危険があります。下水が逆流してトイレや浴室、洗濯機排水口などから汚水が噴き出す被害を受けることがあります。避難の際、浸水した道路や歩道は足元が見えないので、思わぬ段差や溝に挟まる危険があります。避難場所までの経路は確認しておかなければなりません。

豪雨被害はどんな場所でも起こる可能性があります。日頃から豪雨への備えが大切です。
  
  


2019/05/26

不燃木材の防火性能低下の恐れ


防火性の木材は燃えにくくするために薬剤を染み込ませています。この薬剤の一部が湿気や雨水で溶け、木材の表面に白い粉状となる「白華」の現象が生じていることがわかりました。

屋外等の雨にさらされる場所で使われている不燃木材は、薬剤の流出で防火性能が不足している可能性があります。

防火性の木材は東京五輪・パラリンピックでも数多く採用され、需要が高まっています。「白華」現象を防ぐ対策や防火性能の劣化を防ぐ対策が早急に必要です。
  
  


2019/05/23

遅れる不適合なブロック塀や擁壁の安全対策


大阪府北部地震でブロック塀が倒壊し、尊い人命が奪われて1年が経とうとしています。ブロック塀の安全点検が全国で一斉に行われることになりました。

しかし、通学路にもかかわらず安全性が疑われるブロック塀や石塀は今でも見受けられます。本当に対策は実施されているのでしょうか。ブロック塀だけでなく、安全性が疑われる擁壁も多く見受けられます。

一般的に塀に利用されている補強コンクリートブロックは、2m以下であったとしても擁壁とすることは認められていません。学校や公共施設でも安全性の疑わしいものがあります。早急に再点検を行い安全性の対策が必要と思われます。
  
  


2019/05/11

大規模修繕工事での追加予算トラブル


設計事務所や設計コンサルタントが見積書の数量積算を行って建設会社に提示することがあります。見込み違いによる判断や間違った数量を提示して、建設会社から大幅な追加予算が請求されてトラブルになることがあります。

見積書の数量積算などは、本来建設会社が責任を持って調査、判断、積算しなければならないものです。しかし、発注者から提示された条件で見積り依頼されていれば、建設会社は差額の追加請求ができるのは当然と考えます。

設計者の目視調査による中途半端な判断や数量積算で工事を依頼してしまうと、建設会社の責任範囲を不明確にしてしまうので注意が必要です。設計者の本来の役割は、管理組合をサポートすることです。建設会社が実施する調査や見積書の積算チェック、工事中は工事内容が契約通りに進められているかどうか、管理組合の代理として工事監理を行わなければなりません。
  
  


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