二世帯住宅の一世帯分を賃貸にできないか、というご希望から計画がはじまりました。用途的には一戸建て住宅から長屋になります。用途変更の建築確認申請は必要ありませんが、長屋として現行法規に合った内容になっていなければなりません。
長屋は各住戸が独立しているので、建築基準法上、用途は長屋で共同住宅ではありません長屋に対する規制はあまりなかったのですが、東京都建築安全条例は、居住者の避難など安全性を考慮した改正が行われました。
各住戸の主要な出入り口を除く開口部から、道路に避難上有効に通ずる幅員50㎝以上の敷地内通路の設置が義務付けされています。この範囲は軒や庇、空調機など設けることはできません。敷地内通路の設置が難しいと用途変更は簡単にはできないことになります。
また、耐震基準改定前の建物の場合は現行の耐震基準相当への耐震補強が必要となります。改修には建築確認申請の検査済証が必須となります。耐震基準改定後の建物であったとしても、検査済証がないと計画の実現は非常に難しくなります。