2018/08/19

免震、制震、耐震各構造は全く異なる構造

免震構造、制震構造、耐震構造は構造物の損傷や倒壊を防止するための構造のことですが、それぞれ全く異なる構造です。

免震(めんしん)は、地震力を抑制低減することによって構造物の倒壊を防止することをいいます。基礎の部分に特殊な積層ゴムや滑り支承などを入れ、地震の震動が建物に伝わらないようにする仕組みの構造です。地盤と建物が絶縁しているため、建物本体の損傷や揺れを抑えることができる優れた工法です。ただし、他の工法に比べて建築コストが高く、定期的なメンテナンスが必要なため、維持費も高くなる傾向があります。

制震(せいしん)は、建物の震動を軽減するダンパーなどの制震装置を構造体に組み込み、地震力を吸収し、構造物の倒壊を防止することをいいます。木造住宅にも採用されてきていますが、風の揺れに対しても効果があることから、超高層ビルにも採用されています。大型ダンパー形式や機械装置を駆動して揺れを抑える制震装置など、優れた制震技術が開発されてきています。

耐震(たいしん)は地震力を受けても倒壊しないで耐えられる丈夫で安定した構造になっていることをいいます。一般の建築物はこの構造となりますが、地震力が直接建物に伝わるため、他の工法より地震の揺れは大きくなります。免震、制震、耐震各構造は、それぞれ全く異なる発想から成り立っている構造です。

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